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中国医療の健康診断で「未病」をチェック!

中国医療の健康診断で「未病」をチェック!

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よく耳にする病気から「成人病」、「難病」と呼ばれる病まで、それぞれの症状や予防法などをご紹介します。
随時ご紹介していきますので、知りたい病気・このコーナーで扱ってほしい病気などありましたら メール でお送りください。

各症例について

糖尿病 その1

~『三千年の知恵中国医学で病気を治す』より抜粋~


希求生  慢性的な高カロリーなど、不適切な食事、過度の飲酒、運動不足、大きなストレスといった悪しき生活を続けざるを得ない人が多いせいか、糖尿病、高血圧、高脂血症などの「生活習慣病」を発病する人の数は、年々増加してきています。特に糖尿病は以前は特殊な人がかかる病気と考えられていましたが、近年著しい増加を示し、四〇代以上の国民の約一割が、糖尿病あるいはその予備軍といわれるほどになっております。

これらの疾病は以前は「成人病」と呼ばれていましたが、成人のみならず子供でもスナック菓子やファーストフードなど偏った食事をする機会が多く、しかもテレビゲームや塾通いなどによる運動不足のせいか、若年のうちにこの生活習慣病を発病する例が増えています。

一時日本でも清貧の思想などが流行ったこともありましたが、大勢としては多量の残飯を出すことを異常と考えない飽食の時代にあって、こういった疾病が増えることは当然ともいえます。中国医学では、どのようにこれらの病気に対処するのか伺いたいと思います。

敷島  私の同僚にも、会社の健康診断で、もう少しで本物の糖尿病になってしまうとかコレステロールや中性脂肪が高いとか注意されて、食事に注意するようにといわれている人は結構います。高血圧といわれている人は、もっと多いように思います。

陶先生  生活習慣病とは、うまい名前を付けたものですね。食事はもちろんのことですが、ちょっとした駅にはエスカレーターがあったりして、本当に過保護な世の中になったものです。しかも、老人よりも若者がエスカレーターに乗っていることが多い。老人が前に立っても若者が席を譲らんようになって、礼儀や道徳が欠如してしまっているのかもしれませんが、実際、若者の体力がなくなっているのではないかな?

希求生  学童の基礎体力の調査でも、体格は向上しているのに体力は年々下降してきておりますから、老師のご指摘は正しいと思われます。

陶叔山先生  やはりそうですか。君が指摘したように若者の食生活を聞いてみると、そんなもんで、よく生きていけると思うような物しか食っていない人もいるし、たいして用もないのに遅くまで起きておるのが多い。まあ確かに受験で苦労し、就職でまた苦労せざるを得ないというのは大変ではあろうが、こういったことは何も現在の日本だけの状況ではなく、中国でもというえらく難しい試験があって、それに受からなかったために官吏になれず、そのため逆に芸術など別の分野で才能を発揮したという人は枚挙にいとまがない。皆が何も同じ方向で競う必要はないのだから、一刻も早く自分の生きる道をみつけるよう努力すべきでしょうね。

希求生  老師、そろそろ本題に入っていただけますでしょうか。

陶先生  や、そうだったね。何から話しましょうか。まず糖尿病からいきましょうか。

糖尿病は、昔は「の病」といっていました。もちろんこの消渇の病の中には尿崩症なども含まれていましたが、おおむね糖尿病の患者と考えてよいでしょう。

希求生  老師、ちょっとすみません。敷島君、尿崩症というのは大脳の底部にある脳下垂体から出る抗利尿ホルモンの異常により、口渇、多飲、多尿を来す疾患のことです。一部の糖尿病患者の症状と似ていますでしょ。

敷島  確かにそうですね。インシュリンというホルモンの異常による糖尿病と、この抗利尿ホルモンでしたか、このホルモンの異常による尿崩症とを症状から区別することは難しかったでしょうね。消渇の病として一括されたのも当然でしょう。

陶先生  さてこの消渇病の治療ですが、診断するうえで一番考えなければいけない特徴的な体質は、気・血・津液全てが不足していることなので、これらを補うようにすればよいことになります。そうはいっても治療には順序があるので、前にもいったかもしれませんが、まず気・血・津液の流れを阻んでいる状態を取り除くことから始めなければなりません。ストレスなどの気晴らしがうまくできなかったり、食事の不摂生、特に私が強調したいのは冷飲食と多飲に気をつけなさいということです。もちろん、過度の飲酒と高カロリー高脂肪といった食事が厳禁なことは当たり前です。

さらに適度な運動も必要ですが、いわゆる筋力をやたらに強化する必要はありません。柔軟体操特にお腹を柔らかくするように努めることが重要です。それから、早足でしかも半歩大股で歩くこと、そして疲れたら動悸がおさまるまでゆっくりと歩き、回復したらまた負荷をかけるといった歩き方の繰り返しがよいでしょう。また階段の上り下りは一歩ずつ膝をピッと伸ばすようにして、しかも登りは2段ずつ上がるようにすれば腰を強くすることになります。腰の強化とは腎の強化につながるから、精力増強にも役立つといえます。

患者さんにはこういった日常生活の節制をしてもらいながら、治療する側も薬を徐々に変化させていくことが大切です。前に述べたように初めは気・血・津液の流れを整えることを目的に治療しますが、津液の流れの滞りを意味する痰飲や湿邪と呼ばれる状態には、コレステロールや中性脂肪などが高いことや血液中の糖分が過剰になっていることも含まれると考えてよいようです。したがって、気・血・津液の流れの調整の段階から、すでに本来の病気を治すことが始まっていることになります。

中国医学的な脈診や舌診など四診と呼ばれる診断法を使い、徐々に気・血・津液の流れが良くなることを確認し、それに従い薬の内容を徐々に気・血・津液の量を増やす方向、別の言い方をすれば内臓を強化する方向へと変えていきます。

敷島  お話を伺っていますと、処方はこまめに変えることが必要ということのようですが、前にも伺ったことですが、ふつう漢方治療のときよく聞く話は、三ヶ月とか半年同じ薬を使い続けて初めて効果が出てきた、というようなことで、老師の話と違うように感じますがどうでしょうか?

希求生  その点については、私が替わってお答えしましょう。従来の日本の漢方医達の使う薬の量は、中国医学の医師が使う一般量に比べると三分の一から下手すると五分の一です。江戸時代に鎖国をしていたせいもあって中国から生薬が十分に入らなくなり、薬の値段が高くなったことや、附子や烏頭という毒を含む薬の使い方を誤ったりしたため使用量が極端に少なくなったことなど、いくつかの要因が重なった結果、全体としての薬量が中国に比べ減ってしまったのだと思われます。

十分な量の薬を使わなければ効果がなかなか現れないのは当然ですし、また一方で細かい状態の変化をみる診断の力が十分でなければ、先ほどあげました附子などは、本来腎陽を補ううえで非常に重要な薬であるにもかかわらず、心臓に対する毒性があり、その適応を誤れば死に至る危険があります。そういった意味からも、適切な診断能力が要求されることになるのですが、古来の日本漢方には腎陰と腎陽の明確な区別がなかったために、附子類の適応を厳密なものとすることが不十分だったといえます。結果として、副作用を恐れるあまり必要十分な量を使えなくなっていました。

人の身体は薬を使えば少しずつ変化するし、前にもいったように、時には途中でカゼをひいたり、お腹を壊したりすることもあるわけですから、一ー二週間おきの診察のたびに的確に診断して処方を変化させることが必要といえます。

陶先生  急性期の症状を呈しているときなどは、一ー二日ごと、場合によってはもっとこまめに、診察して処方を変えることも必要です。昔の名医達の治療経験集などを読むと、状態の変化に応じて本当に劇的に処方を変えており、それが的確なのには感服することしきりです。やはり個々の生薬の効能や組み合わせの妙を正確に幅広く知っておったからこそでしょうね。

希求生  古典などにみられる代表的な処方を憶えることは当然必要なことですが、それにあまりとらわれると、患者の状態に応じて薬を出し入れすること、つまり「加減」ができなくなってしまいます。よく『』などに出ている処方は、昔の名医が作ったものなのだから未熟な者が勝手に加減するなどもってのほかなどという意見を耳にしますが、「良い加減」(「いいかげん」ではない)という言葉もありますように、やはり個人個人の状態に応じていくら名医が作った処方であっても、加減してその患者にあったものに作り替えることはした方がよいと思います。

では老師、時間もありますので、話を進めていただけませんでしょうか。

陶先生  糖尿病は先ほど述べたように、気・血・津液の全般的な不足を呈している人が多い。血と津液をあわせて「陰液」というから、この状態は気陰両虚の人が多いともいえます。しかし、糖尿病患者の中にはこれ以外の病理状態の人もいるので、単純に糖尿病=気陰両虚証などと考えてはなりません。基本どおり四診を行い、的確に弁証することが常に必要です。

生薬は一+一=二ではなく、それ以上の効果を現すように、古来からの経験をもとに、「」と呼ばれる生薬の組み合わせが知られており、たとえば血糖値を下げる目的として玄参+蒼朮や葛根+丹参が知られているし、黄蓍+山薬は尿糖を下げる組み合わせとしてよく知られています。玄参、葛根、山薬は陰液を補う働きがあるし、黄蓍は気を補う代表薬の一つ、丹参は血を除き、血を補う働きもあるということで、これらの生薬を組み合わせれば気陰両方を補うことになるし、さらに血も除けることになり、しかも西洋医学的な分析では直接血糖値や尿糖に対し効果があるということになります。つまり、気陰両虚証の患者にはこういった生薬の組み合わせで、かなりの効果を表すことができるということになります。

敷島  こんな質問は失礼かもしれないのですが、糖尿病の治療はまず食生活の改善、次に内服薬による治療、次にインシュリンの注射というふうに聞いております。つまりかなりきちんと治療のスケジュールが決められており、管理も的確にできるようになっていると思われます。このような状況で漢方治療の果たす役割があるのでしょうか?

陶先生  いやそれは大事な質問ですね。では聞きますが、糖尿病の治療の中で一番問題になることは何でしょう。

敷島  はあ?

希求生  いま敷島君がいったことは血糖値のコントロールのことですが、糖尿病の管理のうえで最も問題になるのは、むしろ二次障害なのです。つまり、白内障などの眼科疾患、足指のや腎不全に至る危険性がある血管障害、それに様々な知覚異常などを生じる末梢神経障害。こういった二次障害をいかに予防するかが、最も大きな課題なのです。

陶先生  そのとおりで、血糖値の管理をしたいならば中国医学より西洋医学の方が遙かに優れているし効果的でしょう。我々の役割は、こういった二次障害の予防に少しでも役立つことができるということだと思っています。

二次障害の発生には、血や痰飲という気・血・津液の流れの停滞が絡んでいることが多いと思います。特に血は重要で、幸い血に対する中国医学の治療はかなり確立されていますから、特に血管障害などには大きな効果が期待できるでしょう。血に効く生薬の種類は多く、目的に応じて使い分けることができるので、しっかり勉強しておくことが肝腎です。

ところで、私は糖尿病に関しても軟膏を用い、煎じ薬と組み合わせて、より速やかに効果を出すようにしています。

希求生  またも軟膏ですか!。一体どこに塗るのでしょうか?

陶先生  臍です。臍はと呼ばれるツボで、しばしば使います。ただし、臍に軟膏を塗る際に気をつけなければならないことは、臍に塗った軟膏は手足などと違い、くぼみになるのでこすれて落ちてしまうことが少なくかぶれやすいので、入浴の際などによく洗うようにしなければなりません。 希求生、敷島  なるほど。

希求生  お腹は、ほとんどの経絡が通る道でもあるし、正中を通るラインは特に重要視されていますので考えてみれば重要な場所ですよね。中でも臍はその中心ですから、特に重要な部位と考えるべきなのに、西洋解剖学では胎児時代の名残りとしか考えていません。

陶先生  そういう意味で臍療法というのは重要な治療法の一つなのです。

中国医学による健康診断の勧め

未病のチェックをしませんか?

「西洋医学の健診では何も異常が指摘されないのに、何となく体調がすぐれない。」
「健康だとは思っているが、どこか重大な病気が隠れているのではないかと不安だ。」
・・・ あなたはこのような悩みをお持ちではありませんか?
  • 中国医学による健康診断の勧め

    実はここ10年前から、仲間と一緒に某大学の学生さんを対象に健康診断を春秋と行い、上に書いたような悩みを持つ方々を7~800人診てきました。
    その結果分かったことは、何と約8割の方が「未病」を含めた病気の状態であるという驚くべき結果が出たのです。

この中には既に西洋医学の治療を受け、思うような治療効果が出ないという方も含まれていますが、多くはモヤモヤとした体調不良を感じていた方々でした。
「未病」というのは、人体を作っている気・血・津液に異常が見られる状態ですが、先ず日常生活を改善することで、その体調を改善できる段階を指します。
つまり漢方薬や針灸などの積極的な治療を受けるべき前の段階といえます。
この段階で適切な対策を講じておかないと、本格的な病気になってしまう恐れがあるのです。
  • 中国医学による健康診断の勧め

    ではその改善すべき、というか気を付けなければいけない、生活習慣とは何でしょうか?
    特に問題となるのは二点あります。
    一つはストレスを溜めこむことなく、上手に気晴らしをすることです。
    しかし多くの方がこの気晴らしが下手なのです。
    「肩の力を抜いて上手に気晴らししましょう」なんて云っても意味がないわけです。
    ではどうするのか?

    ここでちょっと考えて戴きたいのは、気詰まりから解放されてホッとした時どうなりますか?
    思わずため息をつきますでしょう。
    「ため息=息をはく」のです。
    つまり安心した時に、吸った状態で止めていた息をはくということは、緊張して気詰まりな状態とは吸気で止めている状態なのです。
    息を吸うのは横隔膜という筋肉の働きです。
    横隔膜は吸気のみが仕事ですから、どんな状況でも決してさぼりません。
    ところが呼気は肋間筋が主に働いているのですが、この筋肉群は身体を前方に進めるという仕事があるために、緊張状態のとき十分に息をはくことをつい忘れてしまうのです。

  • 中国医学による健康診断の勧め

    ですから気詰まりを無くし上手に気晴らしする方法というのは、この横隔膜の緊張を解くことなのです。
    どうするか?
    腹式呼吸をすればよいのです。
    笑う、歌うなど積極的に横隔膜を動かす運動、それに深呼吸です。

もう一つの問題点は、習慣的な冷飲食を止めることです。
冷飲は胃腸のみならず、肺も傷害すると云われています。飲食と呼吸によりエネルギーを採り入れ、健康を維持している、その門戸をダメにするのですから、当然病気になるわけです。
生活習慣の乱れはあらゆる病気の元になります。
より詳しく食習慣などのチェックをしましょう。

中国医学の健診は話を聞き、脈を診、舌を診、お腹を触ることです。
痛い採血や恐いレントゲンをかけたりすることもありません。

健診について

健診費用:一万円
所要時間:約30分。現在の状態と今後の生活上の注意を話します。

※完全予約制です。 予約電話 03-3567-2525 まで。

中国医学による健康診断の勧め2

この度、高円宮様が急逝されました(2002/11/21)。
深く哀悼の意を表します。
スポーツマンで知られていた殿下に何故このような事態が起こるのでしょうか?
皇室の方々の公務多忙などが理由に挙げられておりますが、それにしても定期的な西洋医学による健診は受けられていたと思われますのに、「何故?」という印象はぬぐえません。

中国医学でいう「心(しん)」には血液循環器としての心臓以外に「こころ」としての働きも含まれますが、今回の殿下の直接死因は心室細動ということですから、一応「心」の病気と考えて良いでしょう。
心に悪影響を及ぼす事柄は多岐に渡り、種々の感情を初め、気候などの外的環境、さらには過労やストレスなども当然悪影響を及ぼします。

話は変わりますが、マラソンの高橋尚子選手が肋骨の疲労骨折のため選手活動を休んでおりますが、これも 過重な運動=過労=「腎」を傷害=「腎は骨を主る」理論に基づき骨に悪影響=骨折 という図式が描けます。
彼女は前回国際大会で優勝した時も、下肢筋肉の痙攣などの不安を抱えながら走っていましたが、これは「肝は筋を主る」「脾胃は肉を主る」理論のよれば、脾胃(消化器)と共に、肝の働きが低下していたことが示唆されます。ストレスの発散が旨くできない時、初めに傷つくのが肝です。
つまり筋肉と骨を傷つけたということは、「肝腎かなめ」の肝と腎が傷害されているかなり危険な状況といえます。速やかに対策を講じなければ、選手生命はおろか生命に対しても危険が及ぶ可能性が高いのです。
配慮をして欲しいものです。

次は今場所横綱大関陣の多くが休場ないし途中休場のやむなきに至ったことを考えてみましょう。
こういったプロの選手の怪我は何も大相撲に限ったことではなく、野球やサッカーにしても近年指摘されることが多いのです。

さて大相撲の問題についてですが、新聞紙上である西洋医が書いていましたが、相撲取りの体重増加に伴う立ち会い時の衝撃の大きさが問題であるとしています。
しかし本場所を見ていても、実際怪我をするのは立ち会いより、むしろ相撲を取っている最中や勝負がつく時の体勢などにあることは明らかです。
毎日稽古をして、基本的には同類の運動をしていながら何故怪我をするのでしょうか?
他のスポーツ選手も同じことが云えます。
結局、筋肉やスジ(腱)の質が問題なのではないでしょうか。
先ほど筋肉について、「肝は筋を主る」「脾胃は肉を主る」理論を述べましたが、まさにこの肉が問題と云えます。
つまり脾胃=消化器、つまり日常の飲食に問題があるといえます。
もちろんストレスと肝との関連も無視は出来ませんが、よりこちらが問題ではないでしょうか。

だいぶ以前、初代の若乃花(=初代の双子山親方)がこう言ったのを聞いたことがあります。
「最近の若い力士は稽古の後にビールや水割りばかり飲んでいる。
これでは何時か身体を壊してしまう。力士は常温の日本酒を飲まなければダメだ」と。
まさに至言です。
空腹の時に、冷たい飲食をとれば、必ず肺と胃腸を冷やし、機能が低下してしまいます。
結局水分の処理が巧くいかず、身体(もちろん筋肉も)水浸し状態になり、正常に働かなくなり怪我しやすくなるのです。
また我々のエネルギーの採り入れ口の消化器と呼吸器がダメになれば、当然病気などに対する抵抗力も低下し種々の病気になります。

飲食の改善を如何にすべきかなど、日常生活の注意を併せてお答えします。