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中国医療の健康診断で「未病」をチェック!

中国医療の健康診断で「未病」をチェック!

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よく耳にする病気から「成人病」、「難病」と呼ばれる病まで、それぞれの症状や予防法などをご紹介します。
随時ご紹介していきますので、知りたい病気・このコーナーで扱ってほしい病気などありましたら メール でお送りください。

各症例について

肝炎、肝硬変の治療

~『三千年の知恵中国医学で病気を治す』より抜粋~


【肝炎、肝硬変の治療】
希求生  それでは次に、肝炎、特に血清肝炎と肝硬変についてお話を伺いたいと思います。

B型肝炎もそうですが、特にC型肝炎は後に肝硬変から肝ガンへ移行する率が高いため問題になっております。この進行を何とか抑えられるかどうかが焦点になると思います。日本の漢方事情を話しますと、肝疾患には小柴胡湯を始めとするいわゆる柴胡剤グループが用いられることが多いようです。近年新聞などマスコミで大きく取り上げられ、さらに中国でも医学系新聞でも一面トップで報道されたので、老師もご存じかと思いますが、慢性肝炎患者のうち小柴胡湯エキスを用いたなかに、間質性肺炎を発病する人がかなり出て、しかもそのうちの一〇人ほどが亡くなってしまったのです。

陶叔山先生  その記事は読んだことがあります。小柴胡湯というのは特に劇薬や毒薬を含んでいるわけではないのに、なぜ死亡患者まで出たのか疑問に思っていました。

希求生  日本東洋医学会を始め東洋医学関連の雑誌が特集号を組んで検討をしたのですが、結局のところ的確に患者を診断して証を見極めたうえで小柴胡湯を使ったのではなく、証を無視して慢性肝炎であるというだけでこの薬を使った結果であることは間違いないと思います。

陶先生  証を無視して薬を使うとはどういうことですか。証を見極めずに、どうして処方が決められるのですか?

希求生  東洋医学のことをほとんど勉強したこともない医師達が、薬メーカー側の営業マンのいうままに、慢性肝炎という病名のみを根拠に小柴胡湯を使ったのです。幸か不幸か、エキス剤という煎じ薬の分量と比較すれば極端に少ない原料で作られた顆粒だったために、副作用を顕わす患者も少なかったといえると思います。

陶先生  何とも空恐ろしい話ですね。

敷島  なぜ医師達は、勉強もしないでその漢方薬を使ったのですか?

希求生  まあ考えられることは、肝炎に効く西洋薬にあまり良いものがないこと、小柴胡湯の薬価が高いことなどがあげられるかな。

敷島  なぜ漢方薬の勉強をしないのですか?

希求生  まず文部省が大学医学部の講座カリキュラムに東洋医学関連のものを認めていないことが挙げられます。したがって個人的に興味を持った人が自分で本を読んだり、講座に通ったりして努力しなければいけないこと。それでいて漢方エキス剤は一〇〇種類以上が保険収載されているのです。常識的に考えれば、使いたい薬の効果や副作用を調べてから使い始めると思うのです。実際、西洋薬の場合はほとんどの医師はそうしていると思います。それが漢方エキス剤の場合は、漢方薬は副作用が少ないという勝手な思いこみがあるせいか、営業用のパンフレットなどを手がかりにして、証の勉強をせずに、使う医師が多いようです。

敷島  そんな非常識なことが、何で見過ごされているのでしょうか?

希求生  医師の良識が期待されているのだとは思いますが・・・。

陶先生  ところで君の話だと、日本では慢性肝炎に対し柴胡剤グループが用いられることが多いような話でしたが、それも我々中国医学の立場からは変な話ですね。私が慢性肝炎患者に柴胡剤を使う頻度は、そうですねー、まず二割もいかないと思います。

急性期や慢性肝炎でも急性増悪期には、もっと清熱解毒関連の生薬を多用するし、慢性期には肝の陰液が不足している患者には滋陰薬を、お血が著明なものにはそれに対処する薬を使います。特に肝硬変や肝ガンへの進展などを考慮するような長期観察が必要な例の場合は、まずこういった配慮を組み合わせて行うことが必須でしょう。   

希求生  日本漢方の先生方は『傷寒論』『金匱要略』をバイブルのごとく考えており、この中に見られる処方を多用しますので、こういった結果になっているのだと思います。

陶先生  そりゃ、『傷寒論』などは非常に優れた書物であるし、中国でもこの書籍に見られる処方を主に使う「経方派」と呼ばれる医師達もおるが、それでも彼らの立場は、古典そのままの処方で使うことは少なく、患者の証に応じて加減するのが当たり前です。

希求生  日本では加減はまずしませんし、一部のグループではそんなこととんでもないといっております。

陶先生  個々の患者の証をみれば、古典の処方がいかに優れたものであろうと、時代も生活習慣も居住地も違うのだから、そのまま使うなんということはできないと思います。漢代にまとめられた『傷寒論』などの知識を踏まえたうえで、その後の約二千年にわたって、膨大な人体治療の経験の積み重ねが多くの書物として残っているわけですから、これらを併せて参考にして、より優れた治療学を作り上げ将来に残していくのが、我々現代に生きる者の努めではないでしょうか。

希求生  そのとおりだと思います。では老師、慢性肝炎ならびに肝硬変の治療についてお願いいたします。

陶先生  もちろん、現代以前の中国医学ではB型とかC型とかの血清ウイルスの違いによる分類はありませんが、黄疸の有無などにより治療法を細かく分けることはよくします。いずれにしても、先ほども少し触れましたように、しっかり弁証して病因病理を特定して適切に対処することが大切です。ここで注意しておかなくてはならないのは、肝炎という病気が必ずしも中国医学でいう「肝」の病気ではないということです。

希求生  はっ? 

陶先生  中国医学でいう肝の働きを調べてみればわかりますが、「肝は疏泄を主る」「肝は血を蔵す」「肝は目に開竅する」「肝は筋を主る」「怒れば肝を傷つける」など、西洋医学でいう肝臓との関連性は少ないと思いませんか。もちろん初めに挙げた「肝は疏泄を主る」の意味には気・血・津液の流れの調整をするという意味があるので、間接的に肝臓や胃腸の働きに関与するということはできます。肝と同じく五臓に属する「脾」の働きは、「脾は運化を主る」から主に消化吸収に関与すると考えられていますので、この中に肝臓の働きが含まれるともいえます。

このように中国医学でいう五臓六腑と西洋解剖の臓器とは、重なるところも重ならないところもあり、相互に同一のものと見なしてはならないということを、しっかり憶えておかなくてはなりません。

したがって肝炎の治療でも、ある場合は「肝は疏泄を主る」の理論に当てはめて治療すると良いこともあるし、ある時は「脾は運化を主る」の方が妥当なこともある。こういったことは、何も肝炎に限ったことではなく、西洋医学の臓器の名前が付いた疾患を治療する場合、常に念頭に置いておくべきことです。たとえば、胃潰瘍を治療する場合に胃にのみ焦点を当てて治療してもまず治りません。それがストレス性胃潰瘍の場合には治療対象の臓腑は「肝」になりますから、肝気の流れを良くすることが治療を考えるうえで基本になります。

希求生  わかりました。なまじ西洋医学の勉強をしたばかりにかえって混乱することが多いようで、今後十分留意して診断治療を行うようにいたします。

陶先生  いや知識として西洋医学は重要です。特に診断面では客観性という意味において中国医学は遙かに及びません。だからといって中国医学の診断が劣るということではありませんが、何しろ誰にでもわかるようにするという意味では客観性がありませんからね。

ところで、今までの経験によると、C型肝炎であったり、初期の肝硬変の場合には、まずその進行を止め、場合によっては肝硬変の所見を無くすことも可能です。肝硬変も中期以降であれば硬化像を無くすことはできないかもしれませんが、進行して肝ガンに移行することは防止できると思う。それに食道静脈瘤も肝臓内の血流が改善するせいでしょうが、大体良くなります。

付け加えると、植物薬を中心とする煎じ薬を証に則って生薬を組み合わせ、証の変化に応じて処方を変化させるのは他の疾患と同じですが、肝炎や肝硬変の場合は、さらに動物性生薬を主とする散薬を併用することが多いですね。

希求生  具体的には、どのようなものでしょうか?

陶先生 穿山甲末、しゃ虫炭末、田七末などが主です。私のところでは、肝炎用(復肝散)と肝硬変用(治肝硬散)に分けてあらかじめ作ってあります。繰り返しますが、こういった散薬などは、あくまでも煎じ薬で全身の気・血・津液の調整を行いつつ併用するもので、これ単独で使うことは勧められません。

また、肝炎や肝硬変の場合も基本弁証に則り、気血の流れを良くする軟膏、お血を強力に除き併せて季肋部などの痛みをとる目的の軟膏、腹水を除く軟膏など必要に応じて適宜組み合わせて用いることもよいでしょう。

特に肝硬変では腹水の管理が問題になることも多いのですが、利水薬といった通常の利尿剤では十分な効果を出すことが難しく、逐水薬と呼ばれるグループの生薬を用いる必要に迫られることが多いようです。しかし、これらの薬は副作用も強く、なかなか使いこなすには熟練が要求されます。そこでこれらの生薬を配合した軟膏を作ったわけで、今までの経験では副作用は全くありません。その軟膏は前にガンのところでも述べた逐水膏と消脹膏で、いずれも臍(神闕)に繰り返し塗ってもらいます。

中国医学による健康診断の勧め

未病のチェックをしませんか?

「西洋医学の健診では何も異常が指摘されないのに、何となく体調がすぐれない。」
「健康だとは思っているが、どこか重大な病気が隠れているのではないかと不安だ。」
・・・ あなたはこのような悩みをお持ちではありませんか?
  • 中国医学による健康診断の勧め

    実はここ10年前から、仲間と一緒に某大学の学生さんを対象に健康診断を春秋と行い、上に書いたような悩みを持つ方々を7~800人診てきました。
    その結果分かったことは、何と約8割の方が「未病」を含めた病気の状態であるという驚くべき結果が出たのです。

この中には既に西洋医学の治療を受け、思うような治療効果が出ないという方も含まれていますが、多くはモヤモヤとした体調不良を感じていた方々でした。
「未病」というのは、人体を作っている気・血・津液に異常が見られる状態ですが、先ず日常生活を改善することで、その体調を改善できる段階を指します。
つまり漢方薬や針灸などの積極的な治療を受けるべき前の段階といえます。
この段階で適切な対策を講じておかないと、本格的な病気になってしまう恐れがあるのです。
  • 中国医学による健康診断の勧め

    ではその改善すべき、というか気を付けなければいけない、生活習慣とは何でしょうか?
    特に問題となるのは二点あります。
    一つはストレスを溜めこむことなく、上手に気晴らしをすることです。
    しかし多くの方がこの気晴らしが下手なのです。
    「肩の力を抜いて上手に気晴らししましょう」なんて云っても意味がないわけです。
    ではどうするのか?

    ここでちょっと考えて戴きたいのは、気詰まりから解放されてホッとした時どうなりますか?
    思わずため息をつきますでしょう。
    「ため息=息をはく」のです。
    つまり安心した時に、吸った状態で止めていた息をはくということは、緊張して気詰まりな状態とは吸気で止めている状態なのです。
    息を吸うのは横隔膜という筋肉の働きです。
    横隔膜は吸気のみが仕事ですから、どんな状況でも決してさぼりません。
    ところが呼気は肋間筋が主に働いているのですが、この筋肉群は身体を前方に進めるという仕事があるために、緊張状態のとき十分に息をはくことをつい忘れてしまうのです。

  • 中国医学による健康診断の勧め

    ですから気詰まりを無くし上手に気晴らしする方法というのは、この横隔膜の緊張を解くことなのです。
    どうするか?
    腹式呼吸をすればよいのです。
    笑う、歌うなど積極的に横隔膜を動かす運動、それに深呼吸です。

もう一つの問題点は、習慣的な冷飲食を止めることです。
冷飲は胃腸のみならず、肺も傷害すると云われています。飲食と呼吸によりエネルギーを採り入れ、健康を維持している、その門戸をダメにするのですから、当然病気になるわけです。
生活習慣の乱れはあらゆる病気の元になります。
より詳しく食習慣などのチェックをしましょう。

中国医学の健診は話を聞き、脈を診、舌を診、お腹を触ることです。
痛い採血や恐いレントゲンをかけたりすることもありません。

健診について

健診費用:一万円
所要時間:約30分。現在の状態と今後の生活上の注意を話します。

※完全予約制です。 予約電話 03-3567-2525 まで。

中国医学による健康診断の勧め2

この度、高円宮様が急逝されました(2002/11/21)。
深く哀悼の意を表します。
スポーツマンで知られていた殿下に何故このような事態が起こるのでしょうか?
皇室の方々の公務多忙などが理由に挙げられておりますが、それにしても定期的な西洋医学による健診は受けられていたと思われますのに、「何故?」という印象はぬぐえません。

中国医学でいう「心(しん)」には血液循環器としての心臓以外に「こころ」としての働きも含まれますが、今回の殿下の直接死因は心室細動ということですから、一応「心」の病気と考えて良いでしょう。
心に悪影響を及ぼす事柄は多岐に渡り、種々の感情を初め、気候などの外的環境、さらには過労やストレスなども当然悪影響を及ぼします。

話は変わりますが、マラソンの高橋尚子選手が肋骨の疲労骨折のため選手活動を休んでおりますが、これも 過重な運動=過労=「腎」を傷害=「腎は骨を主る」理論に基づき骨に悪影響=骨折 という図式が描けます。
彼女は前回国際大会で優勝した時も、下肢筋肉の痙攣などの不安を抱えながら走っていましたが、これは「肝は筋を主る」「脾胃は肉を主る」理論のよれば、脾胃(消化器)と共に、肝の働きが低下していたことが示唆されます。ストレスの発散が旨くできない時、初めに傷つくのが肝です。
つまり筋肉と骨を傷つけたということは、「肝腎かなめ」の肝と腎が傷害されているかなり危険な状況といえます。速やかに対策を講じなければ、選手生命はおろか生命に対しても危険が及ぶ可能性が高いのです。
配慮をして欲しいものです。

次は今場所横綱大関陣の多くが休場ないし途中休場のやむなきに至ったことを考えてみましょう。
こういったプロの選手の怪我は何も大相撲に限ったことではなく、野球やサッカーにしても近年指摘されることが多いのです。

さて大相撲の問題についてですが、新聞紙上である西洋医が書いていましたが、相撲取りの体重増加に伴う立ち会い時の衝撃の大きさが問題であるとしています。
しかし本場所を見ていても、実際怪我をするのは立ち会いより、むしろ相撲を取っている最中や勝負がつく時の体勢などにあることは明らかです。
毎日稽古をして、基本的には同類の運動をしていながら何故怪我をするのでしょうか?
他のスポーツ選手も同じことが云えます。
結局、筋肉やスジ(腱)の質が問題なのではないでしょうか。
先ほど筋肉について、「肝は筋を主る」「脾胃は肉を主る」理論を述べましたが、まさにこの肉が問題と云えます。
つまり脾胃=消化器、つまり日常の飲食に問題があるといえます。
もちろんストレスと肝との関連も無視は出来ませんが、よりこちらが問題ではないでしょうか。

だいぶ以前、初代の若乃花(=初代の双子山親方)がこう言ったのを聞いたことがあります。
「最近の若い力士は稽古の後にビールや水割りばかり飲んでいる。
これでは何時か身体を壊してしまう。力士は常温の日本酒を飲まなければダメだ」と。
まさに至言です。
空腹の時に、冷たい飲食をとれば、必ず肺と胃腸を冷やし、機能が低下してしまいます。
結局水分の処理が巧くいかず、身体(もちろん筋肉も)水浸し状態になり、正常に働かなくなり怪我しやすくなるのです。
また我々のエネルギーの採り入れ口の消化器と呼吸器がダメになれば、当然病気などに対する抵抗力も低下し種々の病気になります。

飲食の改善を如何にすべきかなど、日常生活の注意を併せてお答えします。