漢方治療について
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中国医療の健康診断で「未病」をチェック!

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漢方治療について

日本の一般の漢方治療

  • 日本の一般の漢方治療

    日本の一般の漢方治療

    まず私が治療の手だてとして用いている中国医学と、日本で一般に「漢方」と言われている治療の違いについて明らかにしてみたいと思います。

    漢方も元来は中国医学の一流派といえますが、江戸時代の「復古主義」という学問の流れに医学もさらされ、以後、中国後漢時代末期(紀元200年頃)にまとめられたと考えられている『傷寒雑病論』に大きく依存するようになりました。
    中国ではこの本よりもう少し早くまとめられたと考えられている『黄帝内経』を基礎的な理論の柱として、『傷寒雑病論』を初めとする数千年の医療経験に基づき集積されてきた医学が、現在の中国医学としてまとめられております。

    日中両医学の違いは多くの点で見られますが、中国医学が病気の原因(病因)を見極め、その結果体内でどのような変化(病理)が、どこで(病位)起こり、その結果としてどういう症状(病状)、脉・舌・腹診所見など(証候)があらわれ、どのような病気(病名)を引き起こすのかを順序立て分析(弁証べんしょう)し、それに基づいて薬、処方を選択する(施治せち)という方法を採るのに対し、原則的に日本漢方はこういった分析をせず、症状と主に腹診の所見から処方を決めています。

  • 日本の一般の漢方治療

    また両医学の大きな違いの一つに、使う生薬の量の差と種類の多寡があります。
    例えばカゼの時使われることで有名な葛根湯などは、日本では原料が20g程度なのに、本来この処方が出ている『傷寒雑病論』に記載されている量は、5倍以上になります。
    私ががん患者さんに使う生薬の量は、もちろん状態にもよりますし、詳しくは別途具体例をご覧いただきたいと思いますが、一日100g以上にはなります。
    もちろん単純に量が多ければよいというものではないのですが、1~2週間毎に診察して状態の変化が出るように、なるべく早く治療効果が出るようにするためには、それなりの量が必要といえます。

    別のところにも書きましたが、1~2週毎の診察で自覚症状や脈・舌などの所見は必ず変化します。従ってその変化に応じて、使う生薬を変えていく必要があります。当然同じ処方を数ヶ月続けて使うなどということは、決して無いことなのです。

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    ここで保険診療のことについて触れておくことにします。
    現在約100種類の生薬が保険で使うことができますが、ほぼこの数が日本漢方の先生方の使う生薬の種類と一致しています。
    それは彼らのバイブルである『傷寒雑病論』に使われているものともほぼ一致します。
    現在中国で生薬事典に記載されている数は数千種類以上ですが、一般に用いられている生薬は約500種類でしょう。

    現在私の医院に保管されている数は400種類を超えていますが、ガン治療に頻用される百花蛇舌草(ひゃっかじゃぜつそう)や半枝蓮(はんしれん)などを初め、多くの生薬が保険では使えないのです。
    次に使用量の問題点を挙げますと、例えば朝鮮人参は通常6~9gを、極端な気血の不足状態などがある場合は30gを使うこともあるのですが、患者さんの状態の如何を説明(症状詳記という)しても、保険では3gまでの使用しか認められず、それ以上の使用量は削られてしまい医者の使い損になるのです。

    このように種類も使用量も制限されている保険行政の中で、思うようなガン治療をすることは非常に困難を伴いますし、まして私が ガン治療に欠かせないと考えている動物薬や鉱物薬の使用は殆ど不可能に近く、こういったことが保険診療をしたくてもやれない理由なのです。

  • 漢方

    次に重要なことは、しばしば「漢方薬は免疫力を強くするのに役立つ、それは朝鮮人参などの気を補う薬が中心となり、人参養栄湯(にんじんようえいとう)や十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などが代表的な処方である。」という考えが、患者様のみならず医療者側にも広まっていることです。
    この考えは間違いではないのですが、だからといってがん患者を漢方薬で治療をするとき、必ずしも正しくはないのです。むしろ漢方薬を用いる治療を始めるにあたって、体力が極端に低下している場合を除いては、むしろ誤りと言うべきなのです。

    ガンを含めて、病気の治療をする場合の大原則があります。
    それは「標治(ひょうち)を先にして、本治(ほんち)を後からする」というものです。全ての病気は、身体を作っている気・血・津液と呼ばれる物質が、全身をくまなくスムースに流れることができなくなり、滞りがちになることが直接原因なのです。
    ただその場合、ベースに気・血・津液の量の不足があるといえます。この流れの停滞に対する治療が標治で、量の不足を補う方法が本治です。
    まず気・血・津液の流れを整え、次に量の不足を補うという大原則を無視して、体力を補う漢方薬は則ち免疫力を補うのだから、いつ使い始めても良いのだと考えるのは間違いなのです。

中国などで作られている薬について

  • 中国などで作られている薬について

    中国などで作られている薬について

    多くの薬がガンに効くという名目で輸入され販売されています。
    個人輸入という手段を経て使われているものも有り、中には非常に高価なものもあります。
    一般に中国で作られている薬は、その中身がパテント問題とも絡み、完全に正しく詳記されていることは無いといって良いでしょう。
    以前、糖尿病に有効な漢方薬ということで評判になった薬が、実は西洋薬の経口糖尿病薬を危険な量も含んでいて、マスコミを賑わせた事がありました。

    そもそも中国医学の治療の大原則に「因人因地」という言葉があります。
    これは患者様の居住している土地の気候などの自然環境と、個人の食事を含めた生活習慣に配慮して診断治療しなければならない、という意味です。
    中国人に合う薬が必ずしも日本人には合わないのです。中国に治療のためのツアーを組んで行かれるという話を聞きますが、現地で生活し、そこの食事を食べ、そこの土地の患者を診ることになれている医師の診察治療を受けている間は、薬が効くことも多いと思います。

  • 中国などで作られている薬について

    ところがその効いた薬を日本に持ち帰って、しかも数ヶ月も同じものを続けて服用するような条件では、まずだんだんと効かなくなると思います。
    同じことは、中国の名医がちょっと日本に来たついでに、日本人を診察して処方箋を書くという事態も良く見聞きしますが、果たして効くものでしょうか?
    かって東京都の病院に勤務していた頃、私の指導のため、北京市より派遣され来日した8人の中医氏達の多くが、初めの数週間、日本人の患者を治すことができませんでした。
    もちろんその後、自分自身が東京の気候、一般の日本人の食習慣に触れ、北京との違いを理解してからは、十分に治療効果を上げることができました。このように因人因地という原則は重要なことなのです。

    漢方薬は必ず患者様の状態を診断した上で、状態の変化に応じてこまめに処方を替えていくということの必要性を繰り返し述べてきましたが、この点からしても、出来合いの誰にでも使える薬のいい加減さが明らかでしょう。
    しかもその中身が完全に明らかにされていないものを使うことの危険性を、皆さんにしっかりとお考えになって欲しいと思います。

健康食品などの免疫力を強くするといわれているものについて

アガリクス、姫茸、霊芝などのキノコ類、サメの軟骨、プロポリス等々、実に多くのものが、ガンを初めとする種々の病気に効くと宣伝され、うちの医院を受診される患者さんも親族知人に勧められるなどして、多くの方が事前に使われておられるようです。

こういった食品類が免疫力を向上させると喧伝されておりますが、私は基本的に免疫力は個人個人個別に対応しなければ強くできないものと考えております。
そういった意味から種々のワクチンなどを含め、医薬品として認可されているものを含め、せいぜい数種類のものを組み合わせた程度のもので、全てのガン、全ての患者に対応するようなことはできないと思います。

従って、患者様がこういった免疫力を増強するといわれているものを使いたいと言ってこられたときの返事は、「まず食事をちゃんと食べること、次に漢方薬をきちんと飲むこと、さらにお腹とふところに余裕が有れば、どうぞお使い下さい」というものです。