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部位別ガン症例

肺ガン

漢方薬服用後、転移腫瘍が縮小

肺ガン  Mさんは69歳の女性。13年前に尿管結石で手術したことがあり、糖尿病もあるのですがさほど厳密に食事療法を行っているわけではありません。
  1994年1月に咳のため近くの医院を受診し、レントゲンを撮ったところ右肺に影が有るということで、某総合病院を紹介され受診しました。その病院で2月14日右肺の上葉切除を受け、以後抗ガン剤の注射と内服を始められ現在まで続けていました。ところが2年後の1996年2月左肺に腫瘍陰影が再発見され、3月にMRI検査をした結果、左肺に4個の腫瘍陰影、更に左大脳の前頭葉にも腫瘍の転移陰影(1.3cm大)が見つかりました。
  当院受診者の紹介により1996年3月29日来院。すぐに内服抗ガン剤を中止してもらいました。中国医学による診察の結果、血と津液の流れの滞りの所見を認め、また季肋部や臍の上下部に抵抗と圧痛があり、気滞の存在も示唆されました。また肺の気と陰液の不足、さらに腎の陰液の不足が明らかでした。
  処方は己椒れき黄湯(いしょうれきおうとう)という処方を多少変えたものを基礎にして、更に白花蛇舌草と半枝蓮という代表的植物性の抗ガン生薬を加え、また麦門冬など肺の陰液を補う本治薬も加え、標治:本治=9:1の煎じ薬(総重量123g)としました。またツボに塗る軟膏薬として
駆瘤膏UAと駆瘤膏W を交互に1日数回ずつ、両孔最(肺ガンのツボ)と太谿、大椎、後谿、支正(脳へのツボ)、さらに中渚と内関に塗布するように指示(各ツボは下図参照)。さらに1996年5月から動物炭末(露蜂房炭1.5g,全蝎炭0.5g,蜈蚣炭0.5g,斑みょう炭0.5g,蟾酥0.007gの混合)の服用も開始しました。
  1996年7月のMRIでは左肺腫瘍が2個になりしかも縮小、脳転移も縮小しました。11月のMRIでは肺腫瘍の数は変わりませんでしたが、脳転移像は消失(?)といわれました。他施設における1997年3月のMRIでは、肺陰影2カ所、脳は造影していないので腫瘍陰影は不明瞭だが周辺の浮腫像は認めるので転移巣は残っているといわれた。
  煎じ薬の処方は診断に基づいて、徐々に標治薬を減らし本治薬を多くして、現在は本治薬7割の状態にある。
  以後半年毎に肺CTや脳MRIを撮っており大きな変化がなかったが、1999年5月の検査で、脳MRIは前回と変化無いものの、肺CTで腫瘍が増大傾向にあると指摘され、それ以後抗ガン生薬を増やすなどの対応を行ったところ、同年9月の肺CTでは前回と変化無し、さらに腰痛を訴えたため脊椎も併せて撮ったところ、軽い椎間板ヘルニアのみ、さらに脳MRIも変化無しとのコメントであり、引き続き経過観察中である。
  この症例は遠方のため診察は2〜3カ月に1度しかできませんが、2〜3週間毎に電話やFAXで連絡してもらい、自覚症状の変化に応じて処方を変更している。軟膏の塗布回数も多く、内服薬の服用もきちんとしており、そのために良好な結果を得られていたものが、経過が長くなるにつれ服薬や塗布回数が徐々に減少してきており、再発のきっかけになったかと思われる。
  胸水が貯まり息苦しさを訴える患者も多いが、両乳頭の真ん中のだん中と呼ばれるツボに
逐水膏 と名付けた軟膏を繰り返し塗布してもらうことで、かなり胸水を減らすことが出来る。

「肺陰虚」による呼吸疾患が多い

喫煙の習慣が無くても肺になる人もおり、逆に喫煙していても肺にならない人がいるのは当然ですが、ただ長期間ヘビースモーカーであれば肺を含めて様々なにかかりやすいという事実には留意すべきでしょう。
  咳、血痰、胸痛などが長期間治らないということで受診する人もいますが、基本的には肺ガンは早期には無症状であることが多いので、喫煙歴の永い人は当然として、40歳以上のガン年齢になればやはり定期検診を受けるべきです。
  肺ガン患者に多く見られる肺の状態として、肺の陰液が不足していることと粘っこくて喀出しにくい痰が沢山貯っていることがあげられます。陰液の不足とは肺や気管支などの粘膜の乾燥状態にも似ており、細菌などの感染に弱い状態ともいえます。特に長年呼吸器疾患に悩んできた患者には多く見られ、また日常イライラなどの多い人には肝気が鬱して熱を生み、その熱が肺の陰液を焼くため(肝火灼肺という)この呼吸器全体の乾燥状態がしばしば見られる。
  かって肝炎治療目的に小柴胡湯エキスを長期間服用してきた患者の内10数名が間質性肺炎で亡くなられたという報道は、国内のみならず中国の多くの中国医学専門の医師から質問を受けるほどの異常な事実でした。それは中国の医師からすれば小柴胡湯は的確な診断のもとに使っていればまず死亡事故など起きるはずもない薬だからです。日本の多くの医師は東洋医学を殆ど勉強せずに、ただ慢性肝炎に小柴胡湯という薬が効果が有るという薬屋サイドの宣伝に従って使っている。たとえば当院では、慢性肝炎患者にこの小柴胡湯関連の処方を使用することは2−3割程度であり、それもせいぜい1−2ヶ月間で、以後は処方を変えて用いることが多いという事実があるが、一般には慢性肝炎という西洋医学による診断のみで、東洋医学的な診断を行わずに小柴胡湯を使う、それも身体の変化に細かく対応することもなく、まんべんと使い続けるという異常事態がまかり通っている。
  小柴胡湯の中の生薬のいくつかは身体の陰液を乾燥させる作用がありますので、本来は小柴胡湯を使うべきでなかった(禁忌といえる)肺の陰液が不足していた患者に使った結果の間質性肺炎と思われます。繰り返しますが現代のようにストレス過剰で内熱を持っている人が多い状況では、この熱で肺の陰液が灼耗されるため、肺の陰液が不足している患者は意外に多いと思われます。このように考えると、肺ガンの患者のみならず肺の陰液不足を治すことで治療効果を上げることができる呼吸器疾患は結構多いといえます。
  また飲食の不摂生により湿邪が溜まり、気・血・津液の流れを滞らせガンを生むきっかけになっている患者も多く見受けます。特に習慣的な冷飲食により水分の代謝能力を低下させ、溜まった湿邪により津液が滞ると「痰」と呼ばれる病気の原因となる物質が生まれます。この痰には熱性のものと寒性のものがあるので、それを見極め適切に対処することが必要です。熱痰の場合は冷やしながら痰を除くていれき子、枇杷葉、半枝蓮などを、寒痰の場合は温めながら去痰する白芥子、蒼朮、半夏などを用いますが、いずれにしても気・血・津液を生むもとである呼吸器と消化器の働きを高めるために、日常の飲食の摂生と深呼吸をする習慣をつけることがもっと大事です。

ガンおよび脳転移に対応するツボ:軟膏を塗布する場所
大椎

大椎

首を前に曲げたとき、うしろ首のつけ根に出る、いちばんでっぱった骨の下のくぼみ
孔最

孔最

腕の内側で、ひじのくぼみから手首のほうへ親指3本
太谿

太谿

足の内くるぶしのすぐうしろ
後谿

後谿

手の小指の外側のつけ根
支正

支正

手の小指の外側をひじのほうへ、手首とひじの中間点

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中醫クリニック・コタカで調合した軟膏、散薬をご紹介しています。
問診をお受けいただくと、診断の結果ご提供することも可能です。
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