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声や外貌の障害が多く、精神的なケアが重要
咽頭は上中下の三部位に大別され、下咽頭は喉頭と二軒長屋で壁一つのような隣同士の関係になります。喉頭ガンも下咽頭ガンもともに喉頭全摘が行われることが多く、一時的に声を失う事になり、精神的な負担も大きいものがあります。食道音声や人工喉頭などにより再び会話が可能になりますが、その会話能力には個人差が大きく、また頚部という人目に付きやすい部位ということもあり、精神的なケアが重要なガンといえます。
咽頭・喉頭ガンで受診した患者数は10名ですが、喉頭ガンの場合は裏側の下咽頭粘膜を残せますので、修復は容易であり術後の音声獲得も比較的たやすいことが多いのですが、下咽頭ガンの場合は食道の入り口という解剖上の特性もあり、手術により喉頭を含めて下咽頭粘膜を切除したあとには、食道の入り口に相当する下咽頭を再形成する必要があります。食道をそのまま持ち上げても長さが足りないため、結局食道は引き抜く形で切除することになり、その代わり胃の動脈と静脈を切断しないよう注意しながら管状に細工して吊り上げるか、空腸に動脈と静脈を付けて遊離状態で持ってきて血管縫合をした上で、空腸の上面を断端である中咽頭に、下端を胃の噴門と縫合するといった手法が用いられます。いずれの場合も喉頭ガンで単純に喉頭全摘した場合より、術後の発声訓練が困難です。
気・血・津液全ての流れの調整と抗ガン剤の副作用予防で多量の投薬
Oさんは60歳男性です。1996年4月に下咽頭ガンの診断を受け、某総合病院で放射線治療を受けている途中に、食道にも2カ所ガンが見つかり、結局ガン専門病院に転院して、6月中旬に頭頚部外科と消化器外科の医師の協力の下に、下咽頭及び食道の切除、さらに胃吊り上げ法による形成手術を行い、8月に無事退院しました。ただ退院時点で医師から術後の生活について特別な注意を受けなかったために、飲酒を含めて食生活なども従来通りの暮らしぶりをしていました。以後定期的に外来にて観察をし、発声もかなり上手く出来るようになっていましたが、1998年1月右の頚部中程のリンパ節が腫大したため、右根本的頚部郭清術をしました。これは頚静脈や頚の主要な筋肉を含めて深部リンパ節群を根こそぎ切除する方法です。2月に退院し外来治療をしていたところ、またも9月に今度は左上深頚部のリンパ節が腫大したため、上部の頚部郭清を行った後、両頚部に対して放射線治療を25回予定で始めました。放射線治療を7回終了した1998年9月26日に私のクリニックを受診しました。一時上手く出来るようになっていた発声も二度にわたる頚部郭清後はほとんど出来なくなってしまい、コミュニケーションがとりづらい事によるイライラも募っていました。
初診時は脈診で全般に弦脈が目立ち、特に左関脈は明らかで、腹診でも上腹部が堅く、ストレスによる気鬱・イライラが著しいことが示唆されました。術後も続く習慣的な冷飲食により、舌質の色が暗いのみで赤みが少ないという、身体の芯の冷えが示唆されるにもかかわらず、爪の半月が10本全部にあり、イライラによる内熱の程度が強いことがここでも証明されました。爪の半月の数や大小、色の濃淡は身体の内熱・冷えの程度を示す指標であり、数が少なく大きさも小さく、色も薄ければ冷えの程度が強いことになります。但し本来爪と「肝」の機能は関連性が強く、爪が脆くなったり凹凸が出来たりするのは、肝の気血の異常をあらわすものと言われており、従って腹診や舌質の色などで身体の芯の冷えが示唆されるのに、爪の半月が数も多く、大きさも大きいOさんのような場合は、イライラによる内熱が強いと考えられるのです。なお爪の半月が両手合わせて8〜9本の指に見られる場合が健康と見なします。
Oさんは舌質の色や手術歴の多いことなどから、気滞のみでなくお血の所見も強く示唆されました。一般に頭頚部のガンの主たる病因は津液の流れの滞りによる痰飲がであることが多いのですが、Oさんの場合は初診時には舌苔は薄く、痰飲よりむしろお血が目立ちました。ただ従来かなり飲酒量が多く、術後も赤ワインを飲んでいたそうですから、肺や脾胃の脈に痰飲を表すとされる滑脈が見られることと考え併せると、痰飲の存在も考慮すべきと考え処方を組みました。
結局、気・血・津液全ての流れの調整をすることが必要になり、当然の事ながら生薬量も多くなり、しかも制ガン効果を目的とするお血を除く生薬や清熱解毒の生薬を無くすわけにはいかず、基本的には多量の生薬を煎じる操作が続くことになりました。もちろん徐々に気・血・津液の流れの調整をする生薬の割合を減らし、気・血・津液の量を増やす生薬に切り替えることをしながら経過を診ています。
軟膏治療は煎じ薬と初めから併用しましたが、動物炭薬も11月から併用し始め現在に至っています。
定期的に手術をした病院と私のところとで経過観察をしていますが、異常なく経過しており、食道発声もだいぶ上手くなりそういった意味からもストレスは緩和されるようになっています。また初診時にきつく冷飲・多飲を慎むよう言ってありますので、飲食の節制も守り顔色も非常に良くなっています。 |
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| 咽頭ガンに対応するツボ:軟膏を塗布する場所 |
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内関
腕の手のひら側で、手首のしわの中央から上へ指3本分 |
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中渚
こぶしを握ったときに出る手の甲の薬指と小指のけんの間のへこみの中央 |
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中醫クリニック・コタカで調合した軟膏、散薬をご紹介しています。
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