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■ 『中国医学で病気を治す』
小 修司著 講談社ブルーバックス 2000年5月20日 定価 880円
1971年に『中国医学のひみつ』を同じブルーバックスより出版して以来、中国医学関連の一般書をいくつか上梓して参りましたのは、中国医学の啓蒙に微力ながらも尽力したいとの本意からでした。しかし意余って力足らず、その目的が十分に達せられたとはいえず、屋上屋を重ねる愚をおかすことを承知で敢えて新たな出版を思い立ったのはいくつかの理由があるからです。
それは私の中国医学自体の考え方が徐々に変化し書き換えの必要性を感じたこと、全人的医療が巷間喧伝され東洋医学的な発想が重視される傾向が強まっていることがあげられます。さらに本書の中でも触れておりますが、COやNOといったガス状の伝達物質と「気」の関連性、また老化抑制遺伝子Klothoが液性因子Klotho蛋白を主に腎臓から分泌するという説と、中国医学で「腎」と呼ばれる成長・老化と関連する概念の相同性など、近代医学の新知識の中に中国医学の概念を説明しうる可能性が散見されるようになっているように感じられます。今後このような観点を含め一層東西医学の接近がはかられることを、若き学徒・研究者達に期待することも執筆の目的の一つでした。
また本書は経験豊かな老医師と、若き医師、それに一般人の3人の鼎談という形式で論を進めており、取っつきにくい中国医学の概念を少しでも理解しやすいものにしたつもりでおります。
また感冒を初め、生活習慣病、種々の疼痛疾患、さらには悪性腫瘍に対しても、内服薬による治療に加えて、軟膏を経穴(ツボ)に塗布するという、現代では比較的閑却されがちであった手法を、復活させたことも特色としてあげられるかと思います。
さらに医療者サイドが自分を愛するが如くに患者を愛するという思いやりの心(=「仁」)を持ち、一方患者側もただ治癒のみを願うのではなく、日常生活のなかで「徳を積む」ことに心を砕くことで、一層治療効果が上がる可能性についても論じてみました。 |
| お茶の水会医科同窓会(http://ikadoso.med.tmd.ac.jp/) より転載 |
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